プレゼントイメージ

誰かに渡すプレゼント

私は旅行へ行く時は必ずお土産を持って帰ります。
そして、そのお土産を私以外の誰かに渡すことが好きです。
中学の修学旅行の時からお土産を買ってきては家族や友人に渡していました。
家族からは「そんなに無理して買わなくてもいいのに」と言われるほどです。
しかし、私は別段無理をしているわけではありません。
確かに旅行先にしかない名物を買いたいという気持ちもありますが、それを買って帰り、相手に渡した後の喜ぶ顔を見るのが好きなのです。
そんなことをしても結局は自己満足に過ぎないし、私が損をしていると考える人もいるかもしれません。
実際、私もそうだと思っています。
しかし、誰かにプレゼントを渡すことで相手も自分も幸せになるのなら、そのお土産を買っただけの価値があったということです。
私も相手の喜ぶ姿を見て「ああ、買ってよかった」と思います。
お土産で最も印象に残ったことは高校時代の修学旅行の時です。
私の高校の修学旅行は、北海道か沖縄か関西のどこかを選べるというもので、私は北海道を選びました。
同じ部活の同級生や同じクラスの友人はそれ以外の場所を選び、結局私は話せる人がいない修学旅行に行くことになりました。
もともと一人で行動することには慣れていましたから旅行中特に支障はありませんでした。
部活で北海道に来ているのは私のみということで自然と部員や友人にお土産をいくつか買いました。
宅配便で送るという手段もあったのですが、あえてそれはせず、保存のきくお土産を選びました。
もちろん、家族用のお土産も買いました。
修学旅行最終日かその前日に北海道の魚介類が売っている店へ行きました。
その時、ふと急激に寂寥感のようなものがこみ上げてきました。
北海道の寒さ、話せる人がいないということに加え、新鮮な魚介類を見て、私は漁業会社で働いていた亡き父のことを思い出したためです。
私が幼い頃、父はよく会社付近の漁業市場に連れて行ってくれました。
魚臭い市に始めは顔をしかめましたが、間近で見る魚に新鮮味を感じ幼い頃の私はとても興奮していたと思います。
数回釣りに行くこともありました。
数匹しか釣れないときでも私は満足していました。
そんな父が私が中学に上がろうとした数ヶ月前にガンで亡くなりました。
その頃は全く父が死んだという実感がわかず、茫然としていました。
その日から今まで見てきたやってきたことがもう見れないできないものだと知ったのは少し経ってからでした。
北海道の市場で私は保存のきくスルメを買いました。
そして、買ったスルメは家に持ち帰りお供えをしました。
スルメは北海道のお土産の中で最も高い品でしたが悔いはありませんでした。
今でも後悔はありません。

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