プレゼントイメージ

卒業式に贈った恩師へのプレゼント

小学生の時、とても大好きな先生がいました。
良い事をした時には満面の笑みで自分のことのように喜び、逆に悪い事をした時には鬼のような形相で血管が切れそうなほどに怒る。
そんな、いつでも全力の先生でした。
たしかに怒った時は本気で怖かったけど、私達のためだというのは強く感じていたのです。
臭い言い方をすると「愛」を感じたとでもいうのでしょうか。
そんな先生ですから、生徒達からも父兄からも大人気だったのです。
ですので、卒業する時はその先生と別れるのが本当に寂しかったのを覚えています。
そこで友人数名と相談して、何かプレゼントを贈ろうという話になりました。
しかし何を贈ったら良いのかさっぱり分かりません。
まだ小学生だった私達は、高価な物を買うわけにもいきませんでしたし。
何をあげたら喜んでもらえるのかを、とにかく必死で考え続けたのです。
先生は花が大好きでしたので、自分達で育てたヒマワリがいいという話にもなったのですが、卒業式は春です。
枯れ切ったヒマワリをあげるというのも出来ません。
そこで思いついたのがコサージュです。
しかも手作りをしようということになりました。
運よくというか、私の母親がそういった物を作るのが大好きな人てしたので、教えてもらいながら必死で作り続けました。
製作期間は3ヶ月。
それだけ時間をかけて必死に作ったわりには、小学生の力量では貧相な物になってしまいましたが。
そして迎えた卒業式の日。
朝一番で先生にあげに行きました。
その時の先生の嬉しそうな顔は今でも忘れません。
本当に嬉しそうに、目に涙をうかべてお礼を言ってくれました。
それだけで私達は満足だったのですが、驚いたことに先生は卒業式にそのコサージュを着けてくれたのです。
既製品のものとは違い、誰がどうみても貧相です。
子供の工作の域を出ていません。
そんなですから、他の先生方のコサージュの中で悪い意味で目立ってしまっています。
それを見た時、私達は申し訳ないという気持ちで一杯になってしまいました。
大好きな先生に恥をかかせてしまったように感じたのです。
しかし先生は最後の挨拶の時、胸をはってこう言いました。
「これは生徒から貰ったコサージュです。私はこんなに立派な勲章を貰えたことを誇りに思います」と。
こんなことを言われたら、もう号泣するしかありません。
まさかそんな風に言ってもらえるなんて思ってもいなかったのですから。
こんな先生に出会えたことは、私の誇りです。

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